大地と生きものシンポジウムに参加しました2

By 2015年11月29日離島ブログ

こんばんはー、ひさしです。

今日はこの記事の続きをお送りします。

大地と生きものシンポジウムに参加しました、の続き。

文字ばっかりでごめんなさい。

 

3人目のスピーカー,日本生態系協会事務局の関さん。
「グリーンインフラ」について話をされていた。
僕はこれって全く知らなかったのだけど、すごく好きだなーと思った。

水害の危険が高い川沿いの土地を政府が買い取って湿地に戻す。すると大洪水があっても人が住まないので災害にはならない。コンクリで堤防作るよりも景観もよい。政府としても長期的には災害対応の支出が抑えられる。

本質は「氾濫するとこ津波来るとこには住まない」っていう昔ながらの知恵に従う考え方で、今後人口も予算も減少してくコト考えると、なかなか良いではないかと思える。

鹿児島に来て思ったけど、ありえへん斜面をガチガチに固めて無理矢理家建てまくってるから、劣化したコンクリがあちこちで一気に崩れる、なんてことが将来起こるんだろう。崖下は森とか公園にして人住ませないとか、火山のそばも公園にしちゃおうとか、そういうことも考えはじめていいんじゃないかなー、なんてことを考えながら聞いていました。

4人目のスピーカー、佐渡市役所の渡辺竜五さん、佐渡のトキ復活の立役者的な方。
まずはトキを絶滅させないために餌になるドジョウを育てて水田に放った取り組みをご紹介。
これは当然失敗。
ドジョウが居てもドジョウの餌となる生き物が居ないから。
じゃあどうすれば?
そうだ、ドジョウの餌となる生き物も復活させよう。
そのためにドジョウの餌となる生き物の餌となる生き物も復活させよう。
そのためにドジョウの餌となる生き物の餌となる生き物の餌となる生き物も復活させよう。。。
というふうに、食物連鎖の上の方にいるトキを絶滅させないためには、生態系全体を復活させなきゃいけない。結局それをやってなんとかトキ増えてきましたよ、というお話。

さらに復活したトキに絡めて、トキが歩いた田んぼで獲れた米(だったっけ?)とかって米のブランディングをやったりなど、生態系の復活に経済活動を絡めて具体的な動きにしました話がすごく面白かった!社会を動かすということ、自分のアタマの中を世の中に実装することって、結局は経済活動におとすこと、になる。お金だけが価値だとは全然思ってない、むしろお金じゃない等価交換不可能な価値の方が僕は大好きだけど、経済活動にのっけてそういうことも伝えてゆきたい、なんて思う。

今回のシンポ、会場に対して観客はめっちゃ少なかったのだけどそれは豊後大野市民めっちゃ損してるぞーーー!!と思った。大分豊後大野市の3本だてのとりくみ「ジオパーク」「エコパーク」「生物多様性戦略」ってに基づいての講演会だった(んだと勝手に思ってる)けど、これら全部実は「生き物も自然も大切にしながら、自分たちも楽しく、経済活動も含めて持続可能な社会を作りましょ」っていうところに貫かれてる。お互いにそこに気づいて、互いにうまいことリンクして大きな力になってけばいいなーなんて思うのでした。

それから最近友達がシェアしてたビートたけしの言葉に感動したんだけど、持続可能な社会を作ることに「清貧」ってすごくなじむ。そういう思想って確かに流行ってないけどほんとに重要だと思うなー。

(あと、今を生きることは重要だけど、夢もつなてのは異義あり。まさに清貧に生きたいって夢もあるだろうし、僕はわくわくできる夢がなきゃしぼんでしまう人間なので。)

話がそれたけども。
今回のシンポジウム、講師の3名の方々の話もすごく良かったしお知り合いになれたことがすごく良かったし、僕にとっては本当に!収穫多いシンポでした。

大岩根尚

About 大岩根尚

宮崎生まれ。大学時代から地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に就職し、南極観測隊として南極の調査に参加。2013年10月より三島村の地球科学研究専門職員に転身し、村のジオパーク認定に尽力した。2017年4月より三島村の硫黄島に移住し会社を設立。教育、人材育成にもフィールドを広げ活動中。