九州ジオパーク連絡会に参加しました。

By 2016年2月10日離島ブログ

九州連絡会2こんにちは。大岩根です。

2018年1月28-29日、おおいた豊後大野ジオパークにて、「九州ジオパーク連絡会」が開催されたので参加報告です!三島村・鬼界カルデラジオパークからは、協議会会長である村長と、大岩根&玉利の合計3名が参加しました。

連絡会は、豊後大野市の橋本市長の挨拶により始まりました。市長は、「九州の8つのジオパークが集まり、一層実のある活動となるよう協力しあいましょう」という旨のご挨拶をされました。

九州連絡会1

日本に39あるジオパークの間で、九州のジオパークはよく連携が取れていると評判です。今回の九州ジオパーク連絡会も第9回目となります。今回は、その連携の成果の一つである九州ジオパークマップの完成記者会見も行われました。九州各地のジオパークの代表が揃ってマップをもち、記念撮影に応じました。九州ジオパークマップは、三島村では各出張所や観光案内所、九州各地のジオパーク拠点施設や道の駅などに配布してありますのでぜひご覧ください!

九州連絡会2
記者会見に続いて、恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク事務局の畑中氏より、1時間ほどの講演がありました。

ジオパークは、認定が取れたら終わりではなく、「再認定審査」があります。認定審査の際に指摘をうけた点を、4年後の再審査までに改善しなくてはなりません。改善が不十分だと「認定取り消し」となり、ジオパークを名乗ることができなくなってしまいます。

恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークは、認定4年後の再審査で「条件つき再認定」となりました。これは「再認定」と「認定取り消し」の間で、2年後までにこの点が改善できれば認定を継続するといういわば「イエローカード」のようなもの。全国のジオパークの中でも初めての措置となりました。

講演された畑中氏は、事務局の担当者として再認定に尽力された経験をお話ししてくださいました。「条件付き再認定を得たことによって、ジオパーク活動を通じて自分の町をどのように発展させてゆきたいかを住民が本気で考えるきっかけになった」「ジオパークは役場がやるもの、という考え方が減った」「そもそも認定のためでなく、自分たちが自分たちでより良い地域をつくるためにやるのだということに多くの人が気付いた」と畑中氏は語られました。

九州連絡会3

条件付き再認定というイエローカードが起爆剤になって、本気で自分の地域のことを考え行動する人が増えたという結果を見れば、それは単純に「悪い」ことではないのだなと感じました。畑中さんは超たいへんだったみたいですが…。

ジオパークの活動は自分たちの地域のためだし、持続可能な社会を作ってゆく人類の未来のためでもあります。この活動を通してそれを実感し自発的に行動する人が一人でも増えればいいなと思いながら聞いていました。

最後に、来年冬の九州ジオパーク連絡会は、三島村・鬼界カルデラジオパークでの開催と決まりました。九州中から熱いジオパークの方々が来られますので、三島村のみなさまはぜひ気合を入れておもてなしの準備をお願いいたします!

大岩根尚

About 大岩根尚

宮崎生まれ。大学時代から地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に就職し、南極観測隊として南極の調査に参加。2013年10月より三島村の地球科学研究専門職員に転身し、村のジオパーク認定に尽力した。2017年4月より三島村の硫黄島に移住し会社を設立。教育、人材育成にもフィールドを広げ活動中。