硫黄岳、調査登山!

By 2016年6月1日離島ブログ

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こんばんは、ひさしです。硫黄島に来ております。

久しぶりの硫黄岳パイセンにご挨拶、ムフフな計画(後述)のために今回は調査登山でつ!!!

我々を歓迎してくださるような美しいパイセン。凛々しくかつ美しくおわします…!!

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今日は雲や薄くかかったもやの具合もまた格別で、変色海水もまた美しく。

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港も相変わらずのパウワー!
このね、写真じゃ伝わんないんですけど、グラデーションがビウリホーなんです。

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中腹までの下見登山を一発はさみ、いよいよ山へ入ります。

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噴気が、いい感じすぎて興奮開始!

※硫黄岳は現在は入山禁止となっています。村の許可を得て、ガスマスク・ヘルメット着用で登ります。

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中腹からの景色。変色海水のいろいろ感と、それらが描き出す模様の移り変わるライブ感と、山肌の山肌感と、緑の緑感と、カルデラ壁のカルデラ感と…!
美しすぎてうっっひゃーーーー!!!

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さらに登りこんでゆくと視点はさらに高くなってゆき、さらに噴気が加わって異世界感を醸し出します!
ここどこやねん!!うわっひゃーーー!!

そしてこれ。

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硫黄岳パイセン、実は他のどこかよりもほんとにラピュタっぽいのです。スカイラインに階段状に見えているのは珪石という石を採掘していた頃の遺構です。
いわゆる産業遺産ってやつです。精巧ないい感じの石組みが朽ちかけている様がなんとも…!!

当時の島民が手間をかけて美しい石組みを積み上げたのですが、閉山に伴って手が入らなくなった途端に自然がもとの姿に戻そうとしてゆきます。
そのせめぎ合い感が、ええですね〜。

そしてもひとつ。
こちらも、珪石を採取していた頃に使われていたブルドーザーです。
山頂からでるガスが雲に溶け込むと硫酸の雲になります。
その雲に覆われることで、ブルドーザーは硫酸に浸された状態になります。
結果、さびっさび。
朽ち具合がたまりません!!

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さて、立ち入り禁止区域の美しい写真をたくさん見ていただきましたが、、皆さん、ご自分の目でこの景色、見てみたいですよね?
そう、見ていただきたいんです。
そのためには、安全体制の確保が必要です。
というわけで、噴石シェルターを設置して、いろんな人がこの景色を見れるようにしたい、というのが今回のプロジェクト。
近いうちに実現させたいと思っていますので、完成の日まで、しばしお待ちくださいませ。

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登る前にはもっくもくだったパイセンも、まるで応援してくれるかのように、午後には綺麗に晴れ上がりました。
地球に誇れるこの美しい財産を、皆さんに楽しんでいただけるよう、きちんと作りこんでゆきます!

あ、今回の写真は instagram (ID: mishima.village フォローしてください!)で加工したものをそのまま掲載しております。

大岩根尚

About 大岩根尚

宮崎生まれ。大学時代から地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に就職し、南極観測隊として南極の調査に参加。2013年10月より三島村の地球科学研究専門職員に転身し、村のジオパーク認定に尽力した。2017年4月より三島村の硫黄島に移住し会社を設立。教育、人材育成にもフィールドを広げ活動中。