黒島の自然~ハマユウ

By 2016年7月16日離島ブログ

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こんにちは! 黒島を愛する長谷川です。

黒島に来て驚いたのが150あった血圧(ひどい時は210)がなんと2ヶ月で114に下がっていました。
こういう事例を複数聞きましたので,偶然ではないと思います。

黒島が健康によい理由はいくつか考えられますが,一つは空気です。黒島に来て感じたのは空気に潮風が入っているなあということです。それもそのはずです。黒島は中心から沿岸部まで3km位しかありません。人が住んでいる集落は海から1kmも離れていません。しかも,黒島周辺には強い潮風が吹いていますので空気は潮風が含まれています。それに加えて島の中心部から居住地区のある沿岸部まで非常に鬱蒼とした原生林がありますので,ここから濃い森の空気が流れてきます。潮風と森の空気が入り混じった独特の空気は特別で空気を吸っているだけで体に力が湧いてきたのを覚えています。

空気に潮風が混ざっていますので,植物も潮風を好むものが多く自生する特殊な植生になっています。その植物の中にハマユウがあります。ハマユウはハマオモトともいいます。ヒガンバナ科の植物でヒガンバナに似ています。花びらが細長く透き通る感じの白さで,雄しべは下の方が白で上の方に行くと紫色になります。花びらの根本の方は花びらが互いに接して筒状になっています。先端部はバラバラに反り返ります。この非対称の美がすばらしいと思います。本当に優美な花でまさにこの世のものとも思われぬほどの美しさです。ちなみに宮崎県の県花としても有名です。

太い円柱状の幹のようなものの上から昆布のような葉が周囲に広がる形をしています。この幹のようなものは実は茎ではなく,葉の付け根が多肉質の筒状に重なったもので偽茎と呼ばれています。実に面白いです。なぜ茎ではなく葉で茎をつくるんですかね?DSC00952

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もう一つ面白いのは花の咲き方です。花ははじめ苞(ほう)に包まれています。苞(ほう)とは、植物用語の一つで,花のもとにあって,つぼみを包んでいる葉のことをいいます。

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私はこのハマユウの苞を見つけた時,どんな風に花が出てくるかとても楽しみで毎日観察していました。そしてついに開花の瞬間をとらえました。

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開花時にはこの苞は下に垂れます。そこからはじけるように花がでてきます。この中にはつぼみがたくさん含まれていて時間差で咲いてみるものを楽しませてくれます。ハマユウは別に見るものを楽しませているわけではなく日没前後から発する強い芳香で大型のスズメガ科のガを呼び寄せ,花粉を運んでもらうのが目的なのでしょうが。

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いずれにしろ私たちを楽しませてくれることに変わりはありません。

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About 長谷川幸一

鹿児島県出身。鹿児島大学理学部物理学科卒。学生時代,理系の学生でありながらもボランティアや学生運動など多様な活動をする。卒業後,キリスト教の宣教師を2年間務め,アメリカに1年留学。その後,学習塾の講師やコンピューターの会社に勤めた後,鹿児島県の教員になる。現在,三島村立片泊小・中学校で教鞭をとっている。専らの関心は子どもが夢中になる理科の教授法の開発。