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黒島に来て,何度も何度も山に入りました。そんな中で見つけてた白い花!

あれ,これアジサイじゃないの!?アジサイは好きな花の一つですが白いアジサイがあるなんて考えてもみませんでした。

アジサイは時期によって移り変わる色が美しく,「移り気」という花言葉をつけられちゃったりしています。

白いアジサイなんてと最初は思いましたが,見れば見るほど美しいです。この地球には美しいものがたくさんあるんですね。

海外に行かなくても少し興味を持って身の回りを見渡すとこんなに美しいものがあるなんて。まるで幸せの青い鳥のようです。

この白いアジサイ名をトカラアジサイといいます。黒島,トカラ列島と,奄美大島,徳之島,沖永良部島に生育する固有種・・・・だと思います。だと思いますというのは沖縄以南にも似たような花があって私の知識では判別できません。

とりあえず,普通のアジサイと比べてみましょう。

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これが普通のアジサイですよね。

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次に山で撮ったアジサイ。

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顕著な違いはトカラアジサイの方が葉が細いこと。

それとあれ・・あれあれ!

花びらの枚数が違います!

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トカラアジサイは花びらが3枚でアジサイは4枚です。
花びらの枚数は植物の区分において大切な要素です。それが違うというのはいったいどういうことでしょう。

俄然興味がわいてきたのでさらにトカラアジサイについて調べてみることにしました。
まずはインターネットでトカラアジサイの画像を検索してみます。すると・・・ええっ!

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(画像提供 ハイビジョン フリー映像素材)

インターネットに出ている画像ではトカラアジサイの花びらは4枚です。しかも花びらにギザギザがあります。対して黒島のトカラアジサイは花びらが3枚。しかも1枚だけ大きいです。これは不思議です。さらに調べるとこんな画像も出てきました。

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(画像提供 photolibrary)

これは茨城県筑波市の実験植物園で撮影されたトカラアジサイです。なんと花びらが3枚。しかし黒島の物とは明らかに花びらの形が違います。茨城県で撮影されたものは花びらが丸いのに対して黒島のものは花びらがとがっています。

非常に興味深いです。これ以上の追及は私の力では無理なので,専門家にお尋ねすることにします。さらになにか分かりましたら,続報をお送りします。

大岩根尚

About 大岩根尚

宮崎生まれ。大学時代から地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に就職し、南極観測隊として南極の調査に参加。2013年10月より三島村の地球科学研究専門職員に転身し、村のジオパーク認定に尽力した。2017年4月より三島村の硫黄島に移住し会社を設立。教育、人材育成にもフィールドを広げ活動中。