黒島片泊の教育~観察池復活プロジェクト!

By 2016年8月19日離島ブログ

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こんにちは!黒島の長谷川幸一です。

黒島に赴任して毎日黒島の魅力を発見しています。NHKで三島村や硫黄島の特集が組まれ,認知度が高まっています。黒島の村おこしには今をおいてない!絶対乗り遅れないぞと決意しています!

今日はまた黒島・片泊小・中学校の教育についてお伝えします。黒島・片泊小・中学校では島の自然を生かした独自の教育が行われています。またしおかぜ留学(山村留学の離島版)を受け入れています。しおかぜ留学生は特別な経験を求めて,また都会で傷ついた心を癒すために,様々な理由でやってきます。驚くのは留学生達はみな体力をつけていくことです。また,親元を離れて生活することや島の美しい自然,やさしい人々の中で心もたくましく成長していきます。

黒島の特徴の一つに黒島が水の島であることがあげられます。私もまだ勉強中なのですが,黒島にはなんと1000本以上の沢があります。黒島自体が巨大な火山岩の塊のようなものです。黒島はよく雨がふりますので,降った雨は地表を流れ,あるものは豊かな森林を潤し,森林からも水が染み出てきます。あるものは黒島の火山岩のなかをおそらく数十年の時をかけて染み込み,湧き出していることでしょう。

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今度黒島の水を詳しく調べてみようと思っていますが,黒島の水はとてもおいしいです。私は水マニアで様々な湧水を飲んできました。名水と呼ばれる水は実にバラエティが豊かで味も,硬さも,喉ごしも全然違います。黒島の水も非常に個性的でおいしいです。この黒島の沢の水は黒島の水道水に利用されています。

私が片泊小・中学校に赴任してきたときに最初に感動したのは学校の横を沢が流れていることです。水大好きの私には理想的な環境です。そして学校の中庭に入るとまた衝撃を受けました。巨大な池があります。しかも,その中心には黒島をイメージした島があります。しかし,残念なことに水が循環せず死んでしまっています。そこで思いついたのが沢の水を池に引くことができないかということです。イメージしたのは古代ローマの水道です。

生徒といっしょに早速設計を考えました。動力なしで水を引くには高い所から引く必要があります。生徒と私は沢ぞいの道を切り開きました。次に100mのホースを取り寄せ,水源から池まで針金やペグで敷設しました。水源はコンクリートでホースを固定しました。最後に池側のホースを水道につなぎ,水を逆流させたあとはずすと見事に水を取水できました。

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観察池の水は2~3日で透明になりました!

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その後,わさびの栽培実験やニジマスの養殖実験をやってます。

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わさび。

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ニジマスの稚魚

なかなか思うようにいきませんが,試行錯誤していきたいと思います!

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About 長谷川幸一

鹿児島県出身。鹿児島大学理学部物理学科卒。学生時代,理系の学生でありながらもボランティアや学生運動など多様な活動をする。卒業後,キリスト教の宣教師を2年間務め,アメリカに1年留学。その後,学習塾の講師やコンピューターの会社に勤めた後,鹿児島県の教員になる。現在,三島村立片泊小・中学校で教鞭をとっている。専らの関心は子どもが夢中になる理科の教授法の開発。