教育現場体験実習で黒島の魅力を再発見(2)~磯遊び編

By 2016年10月31日離島ブログ

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こんにちは。
片泊のこういちです。

三島村黒島の片泊中学校が誇るスーパー校長,鬼塚校長先生はアイディアマンです。湯水のようにアイディアが湧き出します。教育現場体験実習生にも特別な離島体験をしていただきました。その一つが磯遊びをして,ミニ水族館を作るというものです。

このアイディアは校長先生が温めているもので,将来的には教育目的で小・中学生や大人にこの体験学習を開放したいと考えています。

鹿児島郡三島村黒島は現在は火山はありませんが,もともと火山島で島全体が火山で出来ています。海岸は波に侵食され,特異な地形になっています。

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その中でも興味深いものの一つが潮だまりです。満潮になると海に沈むのですが,潮が引くと魚や様々な生物が取り残されて,海の生物を観察するのにとても適した環境になります。

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運がよければ色とりどりの熱帯魚のような魚を観察することができます。

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他にも貝類やカニなどもいます。面白いことにカキには水をきれいにする働きがあり,たくさんカキがはりついた潮だまりはいつも水が澄んでいます。

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サンゴを採集し,水槽に入れ,採集した生物を入れたらあっという間にミニ水続刊の出来上がり。
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この水族館のすごい所はサンゴに住み着いたバクテリアの働きで水がずっときれいに保たれることです。
専門家の先生にきいたところによると、海に転がっている死んだサンゴにはバクテリアや海草などがたくさん棲んでいます。これを水槽に入れると、水槽内の生態系がうまいことやって水をきれいに保ってくれる、という仕組みです。こうやって使うサンゴのことを「ライブロック」というそうです。

詳しくいうと、「水槽中の生き物由来のタンパク質の分解や排泄物から出てきたアンモニアを、岩にくっついているであろう硝化菌で硝酸にして、それを海草や藻に吸収してもらうということをやると、水槽が綺麗に保てるという仕組みで、海と同じ環境を水槽の中で作るためのもの」だそうです。

この水族館のすごい所はサンゴに住み着いたバクテリアの働きで水がずっときれいに保たれることです。しばらく準備期間おいて,観光客のみなさんに体験学習を提供できるといいなあと考えています。

大岩根尚

About 大岩根尚

宮崎生まれ。大学時代から地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に就職し、南極観測隊として南極の調査に参加。2013年10月より三島村の地球科学研究専門職員に転身し、村のジオパーク認定に尽力した。2017年4月より三島村の硫黄島に移住し会社を設立。教育、人材育成にもフィールドを広げ活動中。