こんにちは、晋作です。

2025年11月4日、三島村長選挙が告示され、3名が立候補されました!
竹島と黒島の投票日は8日、硫黄島は9日に投票・開票が行われます。

まずは、3候補者の簡単な略歴をまとめてみました。

2025年三島村長選、立候補者!

現職と新人2名、三つ巴の選挙となりました。

現職の大山候補は、これまで4期・通算16年間にわたり村長を務めています。

新人は、元副村長・元議員の岩切候補と、31年間にわたり役場で行政運営を支えてきた日髙候補

3名の候補者の皆さんは、三島村のどんな未来を描いているのでしょうか。

候補者の掲げる政策の比較

各候補が執筆時点でSNSなどで確認できた情報をもとに、主張や政策をまとめてみました。
※現職についてはSNSでの発信が確認できなかったため、今回は記載していません。

首長が私たちの暮らしに与える影響はとても大きいものです。
とくに、三島村のように小さな自治体では、1つの判断が村の未来を左右することもあります。

つまり、私たちの1票がこれからの三島村を大きく変える力を持っているということ。

ただ、三島村の選挙では候補者の考えを知る機会が少なく、演説会くらいしかありません。
その上、今回はフェリーが欠航しており、島によっては演説会も行えるのかどうか…。

今回は2名だけの比較となりますが、情報発信は選挙のときだけでなく、日ごろから大切なこと。
「発信してるか」「何を、どう伝えているか」も、判断材料のひとつになると思います。

【1】住民への姿勢

お二人とも「住民との対話」を大切にされています。

三島村は人口が少ないからこそ、1人ひとりと丁寧に向き合える環境があります。

ただ、住民の声がいつも“より良い未来”に向かうとは限りません。
目の前の利便性だけでなく、5年後、10年後を見据えて「NO」と言えることも大切です。

足元の課題を大切にしながらも、未来を示してくれるリーダーを期待したいです。

【2】役場の職場改善

ここ数年、役場職員の退職が相次ぎ、島に住む私たちも危機感を覚えています。
退職だけでなく、悲しい出来事もありました。

私たちの暮らしを支えてくれている役場職員の皆さんが、
やりがいを持って、楽しく働ける職場であってほしい。

それから、今役場にいる職員のほとんどが島に住んだことがないので、
期間限定でもいいから島内配置は実現して欲しいです。

【3】産業・雇用支援

島内の職員のほとんどは会計年度任用職員です。
1年更新で昇給もなく、職種によっては給与も決して高くありません。

「子どもを増やしたい」と言う一方で、
家族で暮らせるだけの待遇が整っていないのが現実です。

職員の島内配置と、会計年度任用職員の待遇改善。
この2つをうまく組み合わせて進めてほしいところです。

【4】教育・子育て

保育士が足りない島がある一方で、竹島の未就学児は0人

「しおかぜ留学」に力を入れるのも大事ですが、
子育てしやすい環境づくりが少し置き去りになっているようにも感じます。

島のどこからも、子どもたちの元気な声が聞こえる——
そんな村を目指してほしいです。

【5】福祉・医療

島で安心して暮らし続けるために、医療や介護の体制は欠かせません。

子育てをしていると、特に医療への不安を感じます。
島の現実に寄り添った取り組みを期待したいところです。

また、島を支えてきてくれた(今も支えてくれている)高齢者が元気に暮らせる村であってほしい!
制度や設備だけでなく、「人のあたたかさ」で支え合える福祉を進めてほしいです。

【6】交通

島の暮らしを支えるのは、やはり「交通」です。
フェリーが止まれば、通院も買い物も、子どもの帰省もできません。

お二人とも、港の整備やフェリーの利便性向上を重視されています。
港の整備、フェリー窓口の電子化、Wi-Fi環境の整備など、
“つながる力”を高めようという提案が並びます。

ただ、「船便が多いこと」が本当に良いことなのかは、一度立ち止まって考えたいところです。
隣村の十島村は、三島村よりも便数が少なく、乗船時間も長いですが、人口は増えています。(2020年国勢調査)

物が溢れていない島だからこそ生まれる、助け合いや分け合いの文化——
そうした“島の豊かさ”をもう一度見つめ直すことも、交通のあり方を考える上で大切な視点だと思います。

【7】防災・災害対策

地震や台風など、島での暮らしは自然災害と常に隣り合わせです。

防災拠点となる施設の整備や、通信環境の確認、防災訓練の実施など、
「もしもの時」に備える体制づくりは欠かせません。

その一方で、日常の中に防災を取り入れる工夫も必要です。
前項でも触れた島民同士の助け合いや、島と島のつながりが、最大の防災力になるはずです。

【8】その他の政策

ほかにも、お二人の発信には興味深い取り組みがあります。

岩切候補は、自らの給料カットを掲げ、
財政が厳しい中で、トップとしての責任と覚悟を示しています。

一方の日髙候補は、みしまファン拡大協議会などを通じて、
村の外から応援してくれる人を増やす関係人口づくりを提案。
さらに、企業版ふるさと納税の積極活用によって、
財政の健全化と持続可能な仕組みを目指しています。

また、竹ボイラーの活用など、島の資源を生かしながら
社会課題の解決にもつながる取り組みは、個人的にも楽しみな点です。

また、日髙候補はYoutubeで政策について発信されています。
2025年三島村長候補 日髙真吾の想い

おわりに

どちらの候補も、村民や職員一人ひとりと向き合うことを大切にされています。
裏を返せば、それこそが今の村政において、課題と感じている部分なのかもしれません。

どんなに人を呼び込んでも、暮らしていて幸せでなければ、また出ていってしまう。
どんなに人を雇っても、定着できる職場でなければ、また辞めてしまう。

穴の空いたバケツに水を入れても、いつまでたっても満たされないように、
まずは「今ここにいる人たち」を大切にすることが、村づくりの出発点だと思います。

そのうえで、外とのつながりを育て、島の内と外がゆるやかにつながる村に——。
そんな三島村になってほしいと願っています。

あなたが思い描く三島村を実現してくれるのは、どの候補者でしょうか。
どうか、その想いを1票に託してください。

Author しんさく

2014年4月、三島村竹島にUターン。 翌年、「NPO法人みしまですよ」を設立し、特産品「大名筍」の生産・商品開発・販売をはじめ、島の学校と協働する「ハマギプロジェクト」や、島暮らしを体験し住民と交流しながら人手不足を補う「村おこしボランティア」の受け入れ、情報発信などに取り組む。 2018年には食料・日用雑貨品を扱う、島に20年ぶりの商店「竹のいえ」をオープン。 2019〜2023年に三島村議会議員を務め、2024年には商店に併設する宿泊施設を開業。

More posts by しんさく