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こんばんは。
とっってもお久しぶり、尚です。
晋作くんや幸一さんにブログをお任せしっぱなしで、心苦しく思いつづけていたのでそろそろがんばって書きまーす!!

先日、久しぶりに硫黄岳に登ってきました。
とある番組の取材のためです。
僕は2013年8月に初めて硫黄岳の山頂域に調査登山に入って以来その魅力にとりつかれてしまい、以後敬意を込めて「硫黄岳先輩」と呼んでいます。最近は硫黄岳愛がつのりすぎて「センパイ」「パイセン」「Paisen」などと呼ばせていただいております。もうこの山、ほんと大好き。

というわけで今回は久しぶりにパイセンの懐にとびこんできました♡のレポートです!
なんか…照れちゃうな//

というわけで登山開始。
※硫黄岳は火山ガスや道路の崩落のため、入山規制中です。研究目的や番組撮影などの特別な場合のみ入山が許可されています。

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登りはじめて30分ほど経つと、早速景色が開けます。
見下ろす変色海水。稲村岳の麓から湧き出す温泉と海水が織りなすハーモニーがなんとも美味。

写真の右手に見える柱は、火山ガス由来の酸性雨によりさびっさびになったガードレールの支柱です。とってもオシャレ。

硫黄岳は20年ほど前まで、硫黄や珪石という石を採るための鉱山として栄えていました。
当時はたくさんの人が山頂付近で働いていたので、その頃舗装された登山道も一応あるのですが、もうけっこー崩れてます。

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昔の展望台付近まで登ってくると近づいてくる迫力の噴気。
中腹には当時の人々が作った石組みが残っています。

こちらは50年以上前の方々が使っていた石畳。
この上を、木製の台車的なやつを押して硫黄を運んでいたそう。

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こちらはパン皮状火山弾。
火口をとびだした溶岩が空中で冷えながら表面が固まり、それでも内部は熱くて発泡すると固まった表面が割れ、こんな感じになると言われています。表面の割れ方が、パンの皮みたいっしょ?

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さらに登ってゆくとさらに視界が開けます。
手前の荒々しい山肌、緑の広がる平野や稲村岳、そして集落の向こうに連なるカルデラ壁が萌えて萌えてたまりません。…ハァハァ。
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萌え続けながら山頂付近までのぼってくると、ここにも石組みが。
このラピュタ感、とんでもねっす!!

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山頂付近の平地にくると見下ろせる、東側の海岸線。
ガードレールも柵もないので、足を踏み外せばララバイです。
それにしても変色海水域が描き出す模様が美しい…!!
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山頂付近のヤヴァイエリア。この辺りはガスマスクつけてます。
火山ガス(硫化水素)って肺の動きを止める神経ガスなんだそうですよ。
肺が止まるからリアルに呼吸できません。息吸えない。
黄色いのはもちろん硫黄です。
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下の写真はこのへんでいちばんキケンな噴気。
硫黄のくせに黄色というより赤みがかった色をしています。
この硫黄岳でも他の火山でも硫黄は黄色い結晶としてみえることが多いのですが、110℃くらいの融点を超えるとこういう血のような赤色(血赤色というらしい)の液体になります。どろっと流れる硫黄です。

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見た目に「ヤバそう」なのは雰囲気でわかるもんですね。放射温度計で測ってみると、この噴気は150℃くらいの温度がありました。近づいたらあかんやつや。

こちらは山肌一面の黄色。
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登るときに足元から噴気があったりしてあちち。これまたキケンですね。

こちらは20年ほど前に閉山になった鉱山時代に使われていたブルちゃんです。
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いつも僕がのぼってくるのをじっと待っててくれています。ひとりぼっちでなんか切ない。
ラピュタで言うとロボット兵的な位置づけのやつですね。
時間だけが作り得る、貴重な産業遺産です。

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サビたキャタピラがいい感じ。

今回も硫黄岳パイセンは美しくも力強く、生命の危険とか切なさとか時間とか、なんかいろんな感情を湧き起こしてくれました。この山をいろんな方に体験してもらいたい。それが実現できるようにシェルター設置してガイドの体制整えて、という仕組みづくり中です。登りたい方、たくさんいらっしゃると思いますが、しばらくお待ちくださいね。

※硫黄岳は火山ガスや道路の崩落のため、入山規制中です。研究目的や番組撮影などの特別な場合のみ入山が許可されています。

というわけで、パイセンに抱かれてきましたレポートでした〜!!

Author 大岩根尚

宮崎生まれ。大学時代から地質学・海洋地質学を専攻し、2010年に東京大学にて環境学の博士号を取得。卒業後は国立極地研究所に就職し、南極観測隊として南極の調査に参加。2013年10月より三島村の地球科学研究専門職員に転身し、村のジオパーク認定に尽力した。2017年4月より三島村の硫黄島に移住し会社を設立。教育、人材育成にもフィールドを広げ活動中。

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