鹿児島の街を、港から白いフェリーに乗ってほんのちょっとでも岸壁から離れて眺めてみると、
思いがけずそこはコンクリートジャングルだったと誰もが気付かされるものです。
私の体験した初めての三島クルーズで、その私たちの街からわずか3時間ほどの航海の先に、さながら太古の時空へ遡上するほどの驚きのある島々が次々現われることに衝撃をうけたものでした。
この驚きと気付きの旅へと人々を誘う契機として、「日本ジオパークへの認定」は、どれほど大きな威力をこれから未来に向けて発揮することでしょう。
これらの島と火山の魅力を広く世界に知らしめるために多大の尽力をなさった方々おひとりおひとりに、心から感謝の気持ちを捧げたいです。
それは、私たち鹿児島で生まれ育った者ですらついぞ知り得なかった、
「世界規模の宝」
だからです。
そしてそれは、単に新しい「旅の目的地」が旅行本の頁に加わったというレベルではなく、
環境問題やエコロジー、つまりは私たちの未来への道をも探る、
「人類としての旅」の行き先を提示してくれる規模の快挙だと、
私は確信しているのです。
レトロフト(鹿児島市名山町)代表 地中海庭園デザイン室代表 永井明弘